カブトムシの産卵数は産卵セットのマットの詰め方や水分量、管理方法によって変わることがあります。
「マットはどれくらい固く詰めればいい?」
「オスはいつまで一緒に入れておけばいい?」
「産卵セットを組んだのに卵が見つからない…」
このような悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
この記事では初心者向けに、カブトムシの産卵セットの作り方を写真付きでわかりやすく解説します。必要な道具やセットの組み方はもちろん、産卵しやすい環境づくりのコツや、卵が産まれないときのチェックポイントまでまとめました。
産卵セットを作る前に準備するもの
まずは、産卵セットに必要な道具をそろえましょう。どれもホームセンターや昆虫用品店で購入できますが、100円ショップのアイテムでも代用できるものがあります。
| 必要なもの | 用途 |
|---|---|
| 飼育ケース | メスが安心して潜れるスペースを確保する |
| 産卵用マット | 卵を産む場所になる |
| 昆虫ゼリー | 産卵中の栄養補給に役立つ |
| 転倒防止材 | 転倒を防ぐ |
100円ショップのアイテムだけで産卵セットを作りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
» 100円ショップだけで作るカブトムシの産卵セット
カブトムシの産卵セットの作り方【写真付き】
ここでは、初心者でも失敗しにくい産卵セットの作り方を5つの手順で紹介します。
- マットを加水する
- ケースの7分目くらいまで固く詰める
- 上部はふんわり入れる
- ゼリー・転倒防止材を置く
- メスを投入する
① マットを加水する

まずは産卵用マットに水を加えます。水分量の目安は、手で強く握ると固まり、指で軽く押すとほぐれる程度です。
乾燥しているとメスが潜りにくくなり、反対に水分が多すぎると通気性が悪くなってしまいます。少しずつ水を加えながら、全体が均一に湿るようによく混ぜましょう。
② ケースの7分目くらいまで固く詰める

加水したマットをケースの7分目くらいまで入れ、手やコップの底などでしっかり押し固めます。
カブトムシのメスは固く締まったマットの中に卵を産むことが多いため、この工程は産卵数にも影響する重要なポイントです。押し固めるときは底だけでなく、四隅まで均一な硬さになるよう意識しましょう。
③ 上部はふんわり入れる

7分目くらいまでマットを固めたら、残りのマットは押し固めず、ふんわり入れます。上の層はメスが潜るためのスペースです。上までマットを固く詰めてしまうと潜りにくくなるため、表面を軽くならす程度で十分です。
「下は固く、上は柔らかく」を意識すると、初心者でも産卵しやすい環境を作れます。
④ ゼリー・転倒防止材を置く

マットの準備ができたら、昆虫ゼリーと転倒防止材を設置します。ゼリーはケースの端に置くと、交換しやすく便利です。
転倒防止材は、メスがひっくり返っても起き上がれるように配置しましょう。
なお、産卵木は必須ではありません。一般的な飼育用カブトムシであれば、マットだけでも十分に産卵することが多いです。
⑤ メスを投入する

最後に、交尾を終えたメスを産卵セットへ入れます。メスは環境に慣れると、数日以内にマットへ潜り始めます。潜ったあとはできるだけ刺激を与えず、静かに見守りましょう。
また、交尾後もオスを一緒に入れ続けると、メスの負担になる場合があります。交尾が確認できたら、基本的にはメスだけで管理するのがおすすめです。
» 山口大学(外部サイト)
産卵セット作りで失敗しやすいポイント
産卵セットを作っても、必ず卵が産まれるとは限りません。しかし、産卵しない原因の多くは、マットの状態や管理方法にあります。
ここでは、初心者が特に失敗しやすい4つのポイントを紹介します。
マットが乾燥している
マットが乾燥すると、メスが潜りにくくなり、産卵しない原因になることがあります。特に夏場はケース内の水分が蒸発しやすいため、表面だけでなくマット全体の乾燥にも注意しましょう。
産卵セットは、60〜70%の湿度が理想的とされています。
» TCA東京ECO動物海洋専門学校(外部サイト)
乾燥してきた場合は霧吹きで少量ずつ水を加え、マット全体がしっとりする程度に調整します。ただし、水をかけすぎると通気性が悪くなるため、一度に大量の水を加えないことが大切です。
マットを全部固く詰めている
「固く詰めたほうが産卵しやすい」と考え、ケース全体を押し固めてしまう人もいます。しかし、上までマットを固く詰めるとメスが潜りにくくなり、かえって産卵しにくくなることがあります。
産卵セットは、以下のような2層構造を意識して組みましょう。
- 下半分:しっかり押し固める
- 上半分:ふんわり入れる
オスを入れっぱなしにしている
交尾後もオスを一緒に入れ続けると、メスが落ち着いて産卵できないことがあります。オスが何度も交尾を試みたり、ゼリーの取り合いになったりすると、メスに負担がかかるためです。
» 山口大学(外部サイト)
交尾が確認できたら、基本的にはメスだけを産卵セットで管理しましょう。交尾が確認できていない場合や不安な場合は、数日間同居させてからメスだけを移す方法もあります。
何度も掘り返してしまう
「卵は産まれたかな?」と気になって何度もマットを掘り返してしまうのも、よくある失敗の一つです。
産卵中のメスは非常にデリケートです。頻繁にケースを開けたりマットを掘り返したりすると、ストレスを受けて産卵をやめてしまう可能性があります。ゼリー交換や乾燥チェック以外は、できるだけ触らずに見守りましょう。
焦らず2〜3週間ほど待ってから割り出しを行うことが、多くの卵を得るための近道です。
産卵セットを組んだあとの流れ
産卵セットが完成したら、あとはメスが安心して産卵できる環境を維持することが大切です。
「メスがずっと潜ったままだけど大丈夫?」
「ゼリーは交換していい?」
「いつ割り出せばいい?」
ここでは、産卵セットを組んだあとによくある疑問について解説します。
メスはマットに潜る
産卵セットへ入れたメスは、環境に慣れると投入直後から数日でマットへ潜り始めます。マットに潜っている間は産卵場所を探したり、実際に産卵したりしている可能性があります。
何日も姿が見えないと心配になるかもしれませんが、潜ったままでも異常ではありません。反対に、いつまでも地表で活動している場合は、交尾ができていない、マットが乾燥しているなどの原因が考えられます。
産卵セットに投入後はできるだけケースを開けず、静かに見守りましょう。
ゼリーは定期的に交換する
メスが潜っていても、ゼリーは定期的に交換しましょう。夏場はゼリーが傷みやすいため、2〜3日に1回を目安に確認するのがおすすめです。
» カブトムシ飼育で発生しやすいカビの種類と対処法
交換するときはケースを大きく揺らしたり、マットを掘り返したりしないよう注意してください。
なお、メスが地表にいないからといって、ゼリーを食べていないとは限りません。産卵中のメスは短時間だけ地表へ出てゼリーを食べ、再びマットへ潜ることもあります。
割り出しは2〜3週間後が目安
卵の割り出しはメスを投入してから2〜3週間後を目安に行いましょう。あまり早く掘り返すと、まだ産卵途中だったり、産みたての卵を傷つけてしまったりする可能性があります。
一方で、長期間そのままにすると孵化した幼虫が成長し、卵と一緒に探しにくくなることもあります。初心者の場合は、まず2週間ほど静かに管理し、その後に割り出す方法がおすすめです。
なお、割り出しの方法や卵の扱い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
» カブトムシの卵の割り出し方法とタイミング
卵が産まれないときのチェックポイント
産卵セットを作っても、必ず卵が産まれるとは限りません。しかし、「まったく産まれない」と感じる場合は、いくつか確認しておきたいポイントがあります。
焦ってマットを何度も掘り返す前に、次の5つをチェックしてみましょう。
- 後食している?
- 交尾できている?
- 温度は適切?
- マットは産卵に適した状態?
- 産卵期間は十分?
後食している?
交尾や産卵を始める前に、メスが十分に栄養をとっているか確認しましょう。羽化したばかりのカブトムシは、すぐには繁殖できません。ゼリーを食べ始める「後食」が始まってから、体が成熟していきます。
ゼリーをほとんど食べていない場合は、まだ産卵できる状態ではない可能性があります。後食が始まってから、しばらく様子を見て交尾・産卵へ進めるのがおすすめです。
交尾できている?
産卵しない原因として多いのが、交尾ができていないケースです。オスとメスを同じケースに入れていても、必ず交尾するとは限りません。
交尾を確認できていない場合は、以下の3点を確認してみましょう。
- 同居期間が短すぎなかったか
- オス・メスともに活動していたか
- オスが十分に成熟していたか
交尾方法やペアリング期間については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
» 【カブトムシの交尾・ペアリング方法】
温度は適切?
気温が低すぎたり高すぎたりすると、メスの活動量が落ちて産卵しないことがあります。一般的には、25℃前後がカブトムシにとって活動しやすい環境とされています。
直射日光が当たる場所や、高温になりやすい車内・ベランダなどは避け、できるだけ温度変化の少ない場所で産卵セットを管理しましょう。夏場はケース内が高温になりやすいため、風通しのよい日陰に置くことも大切です。
マットは産卵に適した状態?
マットの状態も、産卵数に大きく影響します。次の点をもう一度確認してみましょう。
- 適度に湿っているか
- 下半分をしっかり押し固めているか
- 劣化しすぎていないか
- 十分な量を入れているか
マットの状態が悪いと、メスが潜らず地表で過ごす時間が長くなることがあります。
産卵期間は十分?
「卵がない」と思っても、まだ産卵途中ということも少なくありません。メスを投入して数日しか経っていない場合は、もう少し様子を見てみましょう。
割り出しの目安は、メスを投入してから2〜3週間後です。あまり早く掘り返すと、産卵途中だったり、産みたての卵を傷つけたりする可能性があります。反対に、長期間そのままにすると幼虫が孵化している場合もあるため、適切なタイミングで割り出すことが大切です。
それでも卵が見つからない場合は、今回紹介したポイントを見直しながら、もう一度産卵セットを組み直してみましょう。
よくある質問(FAQ)
小ケースでも産卵できますか?
小ケースでも産卵することは可能です。ただし、マットを十分な深さまで入れられない場合は産卵数が少なくなったり、メスが潜りにくくなったりすることがあります。
初めて産卵に挑戦する場合は中~大サイズのケースを使用すると管理しやすく、おすすめです。
100円ショップのケースでも大丈夫ですか?
十分な大きさがあれば、100円ショップのケースでも産卵できます。実際に我が家でも100円ショップで購入したケースや用品を使って産卵飼育を行い、その様子を記録しています。
ただし、ケースが小さすぎる場合はマットの量が不足しやすいため、メスが十分に潜れるサイズを選びましょう。
» 100円ショップだけで作るカブトムシの産卵セット
オスはいつ出せばいいですか?
交尾が確認できたら、基本的にはオスを別のケースへ移します。オスを入れっぱなしにすると、メスが落ち着いて産卵できなかったり、何度も交尾を試みたりすることがあるためです。
実際にわたしが観察したときも、交尾後に何度もオスがメスに接近する様子が見られました。
交尾が確認できない場合は数日間同居させてからメスだけを産卵セットへ移す方法もあります。
メスはいつ取り出せばいいですか?
メスは、産卵セットへ投入してから2〜3週間程度を目安に取り出しましょう。まだ産卵を続けている様子がある場合は、数日ほど延長しても問題ありません。
» カブトムシの産卵のサインとは?
卵は何日で見つかりますか?
卵は、メスを取り出したあとにマットを割り出して確認します。一般的には、メスを投入してから2〜3週間後を目安にすると卵を見つけやすいでしょう。
途中で気になって掘り返したくなるかもしれませんが、何度もマットを崩すとメスにストレスを与えてしまうため注意が必要です。
実際に100円ショップだけで産卵セットを作ってみた
一般的な産卵セットでは昆虫専門店の用品が紹介されることが多いですが、「できるだけ費用を抑えて挑戦したい」という人も多いのではないでしょうか。
そこで我が家では100円ショップで購入できる用品だけを使って産卵セットを作り、実際に繁殖へ挑戦しました。
使用した用品や結果、実際に飼育して感じたことを紹介します。
使用したもの

今回使用した用品は次のとおりです。
- 飼育ケース
- 昆虫マット
- 昆虫ゼリー
- 転倒防止材
すべて100円ショップで購入できるものを使用しています。
結果
1回目の挑戦では、残念ながら卵は確認できませんでした。しかし、観察を続けるなかで、以下のような改善できそうな点も見つかりました。
- マットの種類
- ペアリング期間
- セット期間
現在は条件を見直し、再び100円ショップのアイテムだけで産卵に挑戦しています。
良かった点
100円ショップのアイテムだけでも、産卵セットとして必要な環境は十分に整えられました。
特に、以下の点は大きなメリットだと感じています。
- 手軽に始められる
- 初期費用を抑えられる
- 近くの100円ショップでそろえやすい
100円ショップのアイテムを使った飼育は、「まずは一度チャレンジしてみたい」という初心者にも取り入れやすい方法です。
改善点
一方で、実際に飼育してみると改善したい点も見えてきました。例えば、次のような点です。
- マットの種類を変更する
- ペアリング期間を長くする
- 産卵セットの設置期間を見直す
小さな条件を変えることで結果がどう変わるのかを、現在も検証しています。
飼育方法に絶対の正解はありません。そのため、今後も成功した方法だけでなく、失敗や改善の過程を含めて記録していきます。
100円ショップのアイテムだけで本当に産卵できるのか、途中経過や結果は飼育ログで詳しく紹介しています。
» 100円ショップだけでカブトムシを飼育してみた|産卵チャレンジの記録
まとめ
カブトムシの産卵セットは一見難しそうに感じますが、基本的なポイントを押さえれば初心者でも十分に挑戦できます。
特に覚えておきたいポイントは、次の3つです。
- マットは適度に湿らせ、下半分だけしっかり固く詰める
- 交尾後はメスだけで管理する
- 産卵中は何度も掘り返さず、静かに見守る
この3つを意識するだけでも、メスが安心して産卵しやすい環境を作れます。
産卵しない場合でも、すぐに失敗と決めつける必要はありません。マットの状態や温度、ペアリング期間などを見直しながら、少しずつ条件を改善していくことが大切です。
Beetle Noteでは100円ショップの用品だけを使った産卵チャレンジや、実際の飼育経過を写真や動画付きでまとめています。飼育の参考として、ぜひあわせてご覧ください。
» 100円ショップだけでカブトムシを飼育してみた|産卵チャレンジの記録
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